チャーのジーンズをダーッとやりてえ♪
今回のブログでは今までと趣向をちょっと変えて、タイトルは『チャーのジーンズをダーッとやりてえ♪』としてみました。
私ジーンズマイスター小泉はチャーさんの大ファンなのでありまして、どのくらい好きかというのは、この写真を見て頂けば私のチャー様への愛が『わかる人にはわかる』って感じかと思います。
(写真左 フェンダームスタング ネックデイト NOV 64 シリアルナンバーL50***Aネック)
(写真右 通称気絶ムス フェンダーUSA 1972年製 コンペティションバーガンディブルーメタリック改造)
初めてチャーさんを知ったのは13歳の時でした。兄の友人が家に持ってきた一枚のシングルレコード。そのレコードの写真には素肌に白いスーツを着た長髪の男性が写っていて、兄の友人の大西君が「天才ギタリストのチャーがついにデビューした」と昂奮気味に言っておりました。
大西君は兄の友達のエレキギターが上手い人で、私にディープパープルのリードソロなどを教えてくれました。
大西君が言うには、アマチュア時代から天才ギタリストとして有名で、いつどんな形でデビューするかというのは当時のロックシーンでは話題になっていたのだそうです。
初めて聴いたのは『気絶するほど悩ましい』でした。
正直、ロックというにはメローな曲で、リードソロはあるけれど決して派手では無くて、音楽的には良く分からなかったです。しかし、そのルックスのカッコ良さは完全にツボで、その後テレビに登場するチャーさんに夢中になりました。
14歳の時、意を決して神奈川県の田舎町から中野サンプラザまで先輩の女子(15歳)と一緒に行き、初めてのコンサート、そしてチャーさんのギターを生で聴きました。そのステージで観て聴いた、LPレコードと全然違う激しい演奏にノックアウトされてしまい、それからすでに42年。今年でチャーさん66歳・私が57歳。今でも行ける範囲のコンサートには全て行き、買える範囲で買えるグッズは全て買い、おそらくファッションにもチャーさんの影響が強く表れていると思います。(ぜんぜんちげーますが。笑) 私がジーンズはブーツカットしか穿かないのは、チャーさんの影響なのです。
トップ写真は少し前に発売されたチャーさんのCD【Mr70’s You set me free】のジャケット写真です。このシルエット。。これこそがチャーさんです。カッコ良い。。ブーツカットのジーンズに帽子(ときに羽根が生えていらっしゃる) 💓 大好きなアングルです。(≧▽≦)
チャー愛を語り始めると延々と続きますのでこのへんにしときますが、今回の内容は『チャーさんのジーンズを作ってしまった人』の話です。
ファンの方以外には知られていない事かと思いますが、2018年にチャーさんグッズとして限定100本で
『Char × CANTON』コラボレーションデニムという企画がありました。
私としては、この企画を見てすぐにピン!ときて、さっそくジーンズ業界の友人に連絡をとりました。
彼は、ジーンズマイスターと呼ぶにふさわしい、Sと言う方です。以下Sさんとします。
案の定、この企画はSさんが手がけており、何とジーンズを制作するためにチャーさんのお宅まで打ち合わせに行き、チャーさんと一緒に戸越銀座の居酒屋でお酒を飲んだり、「俺のジーンズを作るんならライブを見とかなきゃな」と言われ、二回も招待されたとの事。
私からすると、うらやましいというよりは『神に接近するなどという恐ろしい事をしている人』と言う感じです。
そんなこんなで、『Char × CANTON』コラボレーションデニム限定100本が生産され、予約販売されたのでした。ちなみに私は持っていません。(^_^;) いくらチャー好きとはいえ、友人が作ったジーンズを買うのは何かなぁというか・・(-_-;) 値段も高かったし。。
私を含めチャーさんのコアなファンであれば、その頃までチャーさんが愛用していたのはTRUE RELIGIONのブーツカットだという事は知っていたと思います。しかし、残念ながらTRUE RELIGIONというブランドは消滅してしまい、私としてはジーンズにこだわるチャーさんとしては次に穿くジーンズが無くてちょっと困っているだろうなーと思っていました。以前から穿いているのはLevi’sの517ブーツカットあたりなのだろうと思いますが、最近のジーンズに比べると股上も深いし、ちょっと違うのかなぁなどと・・
Sさんがチャーさんとお話ししたときにも、やはり「今、ジーパン欲しいんだよ」とおっしゃっていらしたそうで、タイミングはちょうど良かったのだと思います。
ちなみに、Sさんは当時アパレル系商社に在籍しており、『日本で初めて作られたジーンズ』として知られるCANTONジーンズというこだわりのブランドを立ち上げておりました。
ほとんどSさんの趣味でやっているようなブランドでしたが (笑) CANTONジーンズはビンテージテイストにこだわり、機械ではできないような昔の方法で生産するといった、職人気質に溢れるジーンズを作っておりました。
ジーンズマイスターであるSさんがCANTONジーンズについて熱く語ったところ、チャーさんの心をグッと掴んだのだと思います。そのときにチャーさんがおっしゃったのは「最近、フェンダーカスタムショップの工場に行ってギター作りを見る機会があったんだよ。その時に観て感じた、ギターを作っている人たちのクラフトマンシップみたいなのとCANTONジーンズには共通点があると思う。」と言って頂いたそうです。
チャーさんは2011年くらいにCHARIZMAというチャーモデルのストラトキャスターをフェンダーカスタムショップで作っており、その後チャーさんの代名詞でもあるムスタングも作っています。そして2018年くらいというのは、ちょうど愛機1959年製ストラト・バーガンディミストのレプリカモデルが製作された頃で、チャーさんがその頃にカスタムショップの工場に行ったというのはコアなファンであれば知っている事なのでした。
フェンダーカスタムショップ 59’ストラトキャスター
バーガンディミストメタリックレプリカ (かなりのレアカラーなのです。)
大変説明が長くなりましたが、先日Sさんとお会いして、ずーっと聞きたかったチャーさんのジーンズについて話をお聞きする事ができました。以下、対話形式と致します。S=ジーンズマイスターSさん K=ジーンズマイスター小泉とします。
K 「まずお聞きしたいのは、あのジーンズに使用しているデニムはどんなものなの?」
S 「実は、ちょうどその寸前に、CANTONのビンテージ用に作っていたゴリゴリのビンテージデニムがあって、それを使っているのよ。 だから、実はアンサンフォでスキューも無し」
K 「??(@_@)マジで! ってことはセルビッチ用の狭巾で、ブーツカット作ったの? 」
S「そう。ウエイトは14ozで、テンション弱く織ってあるやつ」
(注)すでに専門用語でが出てきてしまいました。。(^_^;) いずれジーンズマイスターホームページで解説しますが、すごーく簡単に説明しますと、アンサンフォとはサンフォライズ加工(防縮加工)していないデニムという事で、昔の501なんかに使われていたような生地です。サンフォライズ加工が発明された事により、デニム生地は洗っても5%程度しか縮まなくなったのですが、サンフォライズ加工されていないデニムは10%~15%くらい縮みます。股下でいうと、10cm以上は縮みます。
スキュー加工とは、ネジレ防止加工の事です。太い糸を使用した綾織の生地であるデニムは、洗うとネジレるという特性があります。スキュー加工を行っていないデニム生地は、洗っていくうちに徐々にネジレて行き、最終的には10%くらいネジレます。昔の501などで、左脇の縫い目が足の正面くらいまで回り込んでいる物があると思いますが、スキュー加工していないジーンズはそうなるのが当然です。
S「チャーさんが、それが良いっておっしゃるので、その生地になりました。」
K「でもブーツカットでしょ? 縮みとかネジレは大丈夫なの?」
S「縮みは、パターン作るときに徹底的に縮率をテストして、ワンウォッシュしたときにちょうどチャーさんのサイズジャストになるように作ったから。」
K・・ちなみに、スキュー加工していないネジレの問題は、セルビッチ(耳使い用)の生地なのに耳を使わずにパターンのセンターに地の目を通しているので、そんなに激しくは現れないのだと思います。
K「パターン(型紙)は何を使ったの?」
S「チャーさんから穿いているジーンズを2本借りて元にしたんです。一本はTRUE RELIGIONのかなり穿きこまれたヤツで、もう一本は良く覚えていないんだけど、アメリカでプレミアムジーンズが流行った頃のヤツだと思う。
パターンとしては、どっちかというとTRUE RELIGIONじゃないほうがチャーさんモデルに近いかも。
K「結構裾が広いの?」
S「いや、そんなに太くない。っていうか、使っている生地が14ozのワンウォッシュなので、生地が硬くてTRUE RELIGIONみたいなフレアーにはならないし。どっちかというと、膝から裾にかけて直線的に広がっている感じ。」
S「一回、サンプル作って、いわゆるプロトを作ったんだけど、それはチャーさんとしてはちょっとNGだったみたい。股上の感じが、ちょっと違う感じだったんだと思う。」
K「確かに、チャーさんが穿いていたTRUE RELIGIONとの時代は股上浅めだもんね。」
S「そうそう。それで、二度目に作って穿いてもらって、OKがもらえたの。」
K「どのあたりが大変なところだったの?」
S「一番は股下。とにかく、洗った後に靴を履いてジーンズを穿いて、チャーさんがグッという立ちポーズ取ったときにちょうどピッタリの位置に裾がこないといけない。」
K「それはそうだよね。チャーさんと言えば、エレキギター持ってグッて立った時の姿が世界一カッコ良い人なのだから。股下の長さは大事だわ。。(≧▽≦)」
S「でも、アンサンフォなので、その縮み分をパターンに入れて、なおかつまだ残留収縮があるので2cmくらいは長くしておかないといけないし。チャーさんにも、まだ少し縮みますから2cmくらい長くしてありますって説明して理解してもらって。チャーさんご本人も裾の感じは一番気にしていらしたと思う。」
S「あの企画は100本限定だったんだけど、レザーパッチに焼き印が入っているのよ。それは、100本全部、チャーさんご本人が焼きゴテ使って入れてくださって。 チャーさんが〝おう。おれが全部やるよー〟と言ったらカンナさん(奥様)が〝やめておいたほうが良いんじゃない? もしも指ヤケドとかしたら大変よ〟〝だいじょーぶだよ!〟という感じて、結局100本全てに焼き印を入れて頂いて。」
これは、カンナさんのご意見は全く正しいです。もしもチャーさんが指にお怪我でもされたら、世界中のファンを悲しませることになるのですから。(T_T)
という事で。ほー。。(≧▽≦)もう、大ファン・チャーオタクとしては大興奮の話ばかりなのでした。
100本限定の貴重なChar×CANTONコラボジーンズは、かなりこだわりのデニム生地が使われていますので、穿けば穿くほど濃淡の効いたカラーと自然なタテ落ちが出る素晴らしいジーンズだと思います。
サイズはチャーさんご本人は30インチ(76cm!細っ!)で股下はチャーさんの長さ(S氏いわく かなり足が長い。)で作られているそうです。
もう入手は無理ですが、全国に100名いらっしゃるチャージーンズをお持ちのチャーオタク・チャーマニアの方、そのジーンズはチャーさんのコラボジーンズというだけでは無く、アンサンフォでスキュー加工をしていないという、超こだわりのデニムで作ったブーツカットです。ぜひカッコ良いエイジングを楽しんでご着用ください!
生地も14ozという最近では珍しいくらいの本格的なコットン100%デニムですので、おそらく一生穿けると思います。(^^)
最後になりますが、このブログのタイトルとして盗用した、グループ魂さんの『チャーのフェンダー 本人出演バージョン動画』リンクを貼り付けさせて頂きます。クドカンさんはじめ、皆さんから溢れ出るチャーさん愛がビシビシと伝わってきますね。(無許可リンク失礼致します)
(ちなみにこの動画で穿いているのは珍しくスキニージーンズみたいですね。)
【チャーのフェンダー 本人出演バージョン グループ魂公式チャンネルより】
メンバー全員がチャーさんになってしまうところが好きです。(笑)
返信を残す
Want to join the discussion?Feel free to contribute!