JEANS MEISTER.小泉 ジーンズを買うの巻 1

JEANS MEISTERを名乗る以上、毎日ジーンズを穿いています。なお、最近やたらと食べ物や飲み物が美味しくて、気づいてみたら過去最大体重を更新中です。

そして、穿いていたジーンズがなぜだかどんどんきつくなっている。(理由は分かっているが。。)

毎日穿くジーンズなのに、穿けるのが2本くらいしかなくなってしまいました。(T_T)

という事でジーンズを補充する必要が出てきまして、久しぶりに買いました。新しいジーンズ。しかも2本まとめて大人買い!(すでにじゅうぶん大人ですが。。)

とは言っても、最近仕事中に車のタイヤにジーンズを擦ってしまうことが多く、ブルーデニムの腿のあたりとかに黒いタイヤのヨゴレが付いてしまい、ちょっと外出用には無理な感じになっていました。

そして考えた結果、どうせ黒いヨゴレが付いちゃうのならば、いっそ仕事用はブラックジーンズにしようと思い、ネット通販でいろいろと探しました。

私のブロフィールの最初のほうでお断りしているのですが、私はビンテージジーンズとか、コテコテのこだわりデニムなどにはあまり興味がありません。ただし、シルエットにはこだわりがありまして、ブーツカットしか穿きません。今どきブーツカットって珍しいですよね。(^^;  だいたい、ここ20年くらいブーツカットがすごい流行ったという事すら無いようにも感じます。

まあ、なぜ私がブーツカットを穿くのかという部分はまたの機会に説明するとして、Amazonや楽天でブーツカットのブラックを探しました。サイズはウエスト3●インチ×レングス3●インチという、ちょっと特殊なサイズでもあり、なかなか見つかりません。(昔、某社にリッチマンというブランドがありましたが、そのくらいです。笑)

そして!楽天でやっと、探しているジーンズを見つけました。私が求めているものジャストサイズのブーツカットのブラックジーンズ!それがこちらです!

なんの変哲も無い、特に目立った特徴も無いジーンズです。まあ、こだわりのジーンズマニアの方ならば全然興味を引かないようなジーンズだと思いますが、私としてはジーンズってだけでじゅうぶん興味深いのです。ということで、前置きが大変長くなりましたが、JEANS MEISTERらしく今回購入したジーンズをいろいろな角度から眺めて、じっくりと解析して行こうと思います。

なお、こういうのを始めると大変長くなると思います。一応今回のブログのタイトルは『JEANS MEISTER.小泉 ジーンズを買うの巻 1』としていますので、後日続いて『2』『3』と展開していきます。果たしてどこまで続いてしまうのかは自分でも分かっていません。(^-^;

 

【今回今回購入したLevi’sのブーツカットジーンズを見ながらの考察】

① 企画および生産 品質表示ネームについて

このジーンズを購入した際の楽天ストアの商品説明で『USA企画』と書かれていました。現行のリーバイス・ジャパンの公式ホームページなどにもこの商品〝00517-0260〟という品番は無いようですので、WEBショップの説明のとおりUSAのLevi’sが企画したモノなのだろうと思います。なお、原産国表示はメキシコ製となっています。昨今、中国製品のアメリカへの輸出などが何かと話題になる事が多いですが、やはり輸送コストなどを考えるとアメリカで販売される製品はメキシコで生産されているケースが多いのでしょうね。特にLevi’sはサンフランシスコ発祥の会社ですので、お隣のメキシコでの生産が以前から続いているようです。

このジーンズの品質表示ネームを見て、まず大変興味深いのは品質表示の多国籍対応です。

ベルトの内側あたりに、ポリエステルのサテン織り(かな?)テープタイプの品質表示が4枚も付いています。

こういう品質表示の付け方はH&MとかZARA、GAPなどのいわるゆるグローバルブランドの製品の特長とも言えます。

この品質表示を良―く見てみると、書かれている会社の名前から、アメリカ(メキシコ・ブラジル含む)・韓国・日本・インドネシアでの販売に対応できるように品質表示が取り付けられているようです。

取り扱い表示については《MACHINE WASH COLD.DO NOT BLEACH》というお馴染みのアメリカの取扱表記、ヨーロッパおよび世界標準とされているISO取扱絵表示、日本向けの新JIS取扱絵表示、韓国の取扱絵表示の4パターンが記載されています。

この表示を改めてじっくりと見て、今回初めて面白いと気づいたのが韓国の取扱絵表示です。この絵表示、どこかで見覚えありますよね。そうです。いわゆる日本の旧JIS絵表示にそっくりなんです。へー、韓国の絵表示ってこんなだったのですね。旧JIS絵表示の、フラスコの絵の中に《エンソサラシ》と書かれている部分や、ドライクリーニングの丸い絵柄の中に《ドライ》と日本語で書かれた部分が韓国語に置き変わっているのです。

《韓国向けの取扱絵表示》

これは、どういう経緯なのでしょうね。まあ、韓国が日本の取扱絵表示を参考にしたという事は間違いは無いだろうと思います。そして参考にされた日本の取扱絵表示は、すでに旧JISとは全然違っており新JISの絵表示に変わっています。しかし、ISOと同じようで実は同じでは無いのでISO絵表示とISO絵表示みたいな新JIS絵表示が2行に記載されるという不思議な状況になっているのでした。

なお、品質表示ネームは3枚付いているのですが、この3枚を良く見ると2枚と1枚でテープの材質が違います。さらに良―く見ると、上についている取扱い表示と原産国、組成表示、注意表記が記載されているネームは印刷されています。そして材質が違う1枚には〝PC9-00517-0260〟という品番と〝W 3● L 3●〟〝●2cm〟などの品番やサイズといった可変部分に分かれており、こちらのテープの文字は印字(印刷ではない)になっています。

このあたりのテクニックはさすがLevi’sだと思います。内容が変わらない表示は印刷で大量に作り、対応できる全てのアイテムに同じネームを使用する事により手間とコストを抑え、内容が変化する部分だけ別のネームに印字して作っているワケです。ちなみに、ポリエルテルのサテン織り風テープに印字というのは、インクがテープに染み込みにくいため文字が薄くなってしまう事が多く、私の経験上、かなり難易度の高い作り方だと思います。これを実現しているあたり、さすがLevi’sですね。

ネームでもうひとつ興味深いのが、品質表示の3枚の隣に1枚だけで取り付けられているちょっと小さめのネーム。これには《CARE FOR OUR PLANET》と書かれており、続いて数か国語で書かれています。ネームをめくると裏面には日本語で「私たちの地球の為に。必要以上の洗濯は避け、水で、吊り干し、そして寄付またはリサイクルへ」と書かれているのでした。なるほど。お湯を沸かすためには電気やガスを使いますので、発電のためのエネルギーを使ってしまいます。ジーンズを干すときにも、乾燥機などを使うとやはりエネルギーを使ってしまいます。着用する人も環境に配慮してお湯ではなくて水で洗濯し、乾燥機を使用せずに天日で吊り干しするように訴える内容を表記する。地球を守るために自社製品から生じるカーボンフットプリントを削減しなくてはならないという理念は素晴らしいと思います。

《*カーボンフットプリント  一つの商品における原料の採掘や栽培、製造、加工、包装、輸送、および、購買・消費されたあとの廃棄に至るまでの、それぞれの段階で排出された温室効果ガス(温暖化効果ガス)である二酸化炭素 (CO2)などの総合計を重量で表し、商品に表示することをカーボンフットプリントと呼ぶ。引用元 Wikipedia *注 「フットプリント」の意味から考えても、カーボンウェイトとすべきだという批判もある 引用元 Wikipedia》

すでに3枚も付いている品質表示ネームに、さらに1枚、石油由来原料であるポリエルテル製のネームを追加して付けてまで(笑)企業ポリシーをアピールする姿勢は、さすがに世界のアパレルをリーダーであるLevi’sだと改めて感激しました。

 

②ジーンズに使用されている生地のウエイト(オンス)について

一般的にジーンズに使用されているデニム生地については、生地の厚さ(重さ)をオンスで表すという事が知られています。「このデニムはだいたい14ozだね」みたいな感じに使われます。デニムにお詳しい方ならば、触っただけで大体の生地ウエイトは分かるだろうと思います。

皆様も良くご存じのとおり生地のオンスとは『1平方ヤードあたりの生地の重量』を計測して算出します。つまり14ozとは1yd2の重さが398グラムの生地という事になります。それでは、今回私が購入したブラックジーンズは、果たして何オンスの生地を使用しているのでしょうか。

計算 (細かい部分はテキトー)

製品の重量は台所用メジャーで測ったところ825グラムありました。ちなみにこのジーンズのサイズは一般的なものよりもかなり大きい(≧▽≦)ので、その分重量は重いです。

このジーンズに使用されているツイルの生地の用尺は、ブーツカットというシルエットと大きなウエストサイズからおそらく1.5mくらいだと推測します。(^_^;) これは正確にはCADで型入れしてみないと分かりませんが、経験上そんなに誤差は無いだろうと思います。

そして、このパターン(型紙)の型入れの効率(歩留まり)は 80パーセント程度と予測しますので、生地の1mあたりの重量Ⅹ=825グラム÷1.5m÷8×10となり、X=688グラムという事になります。なお、この688グラムは1m×150cm(タブル巾)あたりの重量、つまり1.5㎡あたりであり、オンスに換算する場合には1yd2=0.84㎡ですので、0.84÷1.5=0.56%となり、1yd2の重量は385グラムという事になります。385グラム÷28.4グラム=13.5オンスですので、このブラックジーンズに使用されている生地のウエイトは13.5ozという事になりますね。

細かいことを言いますとジーンズにはボタンやファスナー、リベットなどの付属が付いていますし縫製に使用しているステッチ糸などの重量もありますので、実際にはもう少し軽いのだろうと思います。しかし、附属や糸の重量はせいぜいトータルで20グラム程度ですので、それ程大きな誤差にはならないだろうと思います。

ちなみに現在愛用しているストレッチデニムのブーツカットの重量を計測したら663グラムでした。つまり、上記と同じ計算をすると10.8オンスでした。実際に生地を触った感じもだいたいそれくらいのウエイト感です。という事で、この計算はほぼ間違いないだろうと思います。

 

しかし、こうやって見てみると、今回購入したブラックデニムのブーツカットってかなりヘビーウエイトですね。(-_-;) 実際、最近の暖かい日に穿いていたらかなり蒸れました。この先、夏に向かって行くことを考えると、このブラックジーンズはかなり暑そうです。今どきの生地で13.5ozってあんまり無いくらいの厚さです。

これは夏はちょっと無理だなあ。。

どこかに、12ozくらいのブラックツイルのブーツカットは売っていないでしょうか。。(^_^;)

 

*上記の内容について「計算が間違っている」とか「良くわからない」というご質問などあれば、お気軽に以下フォームよりご連絡ください。(^^)

『JEANS MEISTER.小泉 ジーンズを買うの巻 1』おしまい。そして2に続く